さいたまの創業融資にどの程度の事業経験が必要なのか
事業経験はなぜ必要なのか
創業融資に必要となる要件は
- 自己資金
- 創業計画書
- 事業経験
です。
その一つである「事業経験」がなぜ必要なのか。
それは創業融資という制度自体が、これから創業する方に向けた融資制度という性質上、融資を受ける創業者は経営実績がないため、融資する側にとっては創業者の今までサラリーマン時代の経験の有無で判断せざるを得ないからです。
例えば、ずっと美容師をやってきた方がいきなり「建設業」を始めたいと申し込みに来られても融資担当者は「えっ?なんで?本当に成功するのか…」となってしまいますよね?
ずっとやってきた業種であれば、その業界が抱える問題やこれからの課題を理解していたり、お客様のニーズがどこにあるのかを実際肌で感じることができていますので、成功する確率は高まります。それを融資担当者は理解しています。
ですから、事業経験の有無は融資をする上で重要な要素となっています。
事業経験が全くないけど融資は受けられるのか
これはほぼ無理といってもいいと思います。
先ほど書きました通り、事業経験は融資審査を行う上で重要な要素となります。
創業する業種について全く経験がない場合にはかなり厳しい状況にあるとご認識ください。
後述しますが、サラリーマン時代での経験で多少なりとも共通する経験があれば細大漏らさずアピールしましょう。
新創業融資の事業経験の要件
日本政策金融公庫の創業融資を受ける上で必要な要件は以下の通りとなっています。
融資担当者が求める経験年数というのはここの箇所になります。
3.現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する方 (1)現在の企業に継続して6年以上お勤めの方 (2)現在の企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方 |
基本的には創業する業種での経験年数は6年以上は必要だということです。
事業経験が少なくても融資は受けられるか
では経験が6年ないと申し込むことはできないのか、というとそんなことはありません。
他の要件を見てみますと、
9.前1~8までの要件に該当せず事業を始める方であって、新たに営もうとする事業について、適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると公庫が認めた方で、1,000万円を限度として本資金を利用する方 |
この要件からも、経験年数が少なくても、適正な事業計画を策定して、計画を遂行する能力が十分にあると融資担当者に理解させることができれば融資は可能になるのです。
どのような事業計画を作ればいいのかといいますと、具体的には、
- 自社・他社分析して強み・弱みを認識している。
- 地域ごとの市場調査を行って価格戦略ができている。
- 市場調査により他社との差別化戦略が明確である。
- それらに基づく精緻な事業計画書・資金繰り表が作成できている
などなど、労を惜しまず詳細に渡って事業経験の少なさを補って余りある事業計画書を作成すれば、融資を受ける可能性は高まります。
もちろん事業経験年数が多い方が評価は高いですが、もし経験年数が少なければ詳細に渡る事業計画書の作成は必須、ということをお分かりいただければと思います。
たとえ事業経験が少なくても関連する経験は漏らさずアピールしよう
事業経験が少なくても、今までの経験で関連するものはよくよく思い出して必ず事業計画書に記載して融資担当者にアピールしましょう。
まったく違う業種でも営業部に所属していれば、その時の実績があるかと思います。
営業マン時代だったときの成績を思いだして、年間●●件顧客獲得、××円の売上達成により、社内から表彰された、など「数字」を使ってアピールしてください。
管理部門の経験しかなければ、採用の経験により自社に役立つ人材の見極め方や、社員に向けての教育方針やヤル気の引き出し方など、これから創業する業種でのノウハウを身に着けることができましたと、これから創業する業種でも役立たせることができるとアピールしてください。
ただ闇雲に「能力がある」というのではなく、こういう経験があったからこそ今開業できるんだと、きちんと理由を書いた上でアピールすることが必要です。
それでもまったく事業経験がない場合にはどうすればいいか
それでも事業経験が乏しくアピールできる材料がない。
という方は、せめて1年くらいはアルバイトでもいいので、関連する事業で経験を積みましょう。経験があるのと、ないのでは雲泥の差です。
1年経験するだけで事業計画書に記載してアピールすることがかなりできるようになります。
1年も待ってられないという方は、ご自身とつながりの強い方に共同で経営してもらうというのも一つの手でしょう。
会社であれば、50%以上出資させなければ、いざという時乗っ取られることもありません。
融資担当者側からは、ただ名前を借りただけじゃないかと疑われることもあるので、少しだけお金を出資してもらって、取締役に就任していただくといった方がよろしいかと思います。
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